19世紀初頭(おそらくフランスのオールドパリス、または同時代のヨーロッパ諸窯)に制作された、アンティーク帝政様式(アンピール様式)の磁器製双耳カップ(またはベル型の小型ウルン)です。器の外側には、手描きによる精緻な2つのメダリオン図が描かれています。一方は石壁近くのひまわりの茂みに佇む2羽の水鳥、もう一方は美しく整えられた庭園を背景にした伝統的な園芸道具(シャベルと熊手)の風景です。カップの内側は全体に贅沢な金彩が施されており、19世紀初頭の高級磁器に特有の意匠を示しています。
帝政期(1804年〜1815年頃)およびその後の王政復古期において、パリをはじめとするヨーロッパ各地の磁器窯は、豊かな金彩や新古典主義のモチーフを施した贅沢なテーブルウェアやキャビネットカップを競って生産しました。園芸道具や愛らしい鳥たちの繊細な描写は、当時の貴族や裕福なブルジョワジーの間で流行した、植物学や田園生活へのロマン主義的な憧れを反映しています。
* 年代:19世紀初頭(1810〜1820年頃)
* 技法・様式:上絵付け多色エナメル手描き、磨き金彩 / 帝政様式(アンピール)
* サイズ:高さ:10.5 cm(4.1インチ)、持ち手を含む幅:11.0 cm(4.3インチ)、口径:9.5 cm(3.7インチ)
* 素材:硬質磁器、金箔
* 状態:本格的な修復が必要です。器体全体に複数の縦方向のニュウ(ヘアラインクラック)が入っており、内側から古い白い接着剤によって応急補強が施されています。金彩には経年による全体的な擦れが見られ、高台や口縁部に摩耗があります。また、口縁の縁に小さなチップ(欠け)が見られます。
初期ヨーロッパ磁器のコレクターにとって歴史的・学術的に重要な資料であり、専門的な陶磁器修復・保存研究の対象として非常に価値ある一品です。
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